週刊文春が本気を出している今紙メディアとWEBメディアの違いを考えてみる

最近自分のコンテンツを含め、ウェブに記事を書く機会が増えてきて思うこと。

 

ウェブメディアってPV至上主義的な面があって、PVさえ稼げれば何でもありというのが本音なのでしょう。そのコンテンツ自体はどこからかの流用だったり、まとめだったりして、書き手の独自の内容というのがない。

 

別にそれはそれでいいのだが、何となく書き手としての位置付けも自分的にはあるので色々と思うところはある。

 

例えばちょっと前に書いた70万PV超えした某ニュースサイトの記事だけれど、そもそもここも編集画面を見る限り、まとめサイトだということがわかる。書き手もトップランカーの皆さんはほとんど実名でなかったりする。 

 

実名でないというのは結局のところ書いた内容の責任の所在を明確にしたくないということなのだろうと思われる。つまり、署名をしないということは書いた記事によって自分の名前や信頼を高めるよりも、いっときの報酬狙いなんだろうなと。 

 

つまりウェブの記事のほとんどは、まあ、そんな感じの内容。一時の感動や気づきを与えることが、多くのウェブ記事の目的になっている気がする。気がするというか、多分そうなのだろう。コンテンツ不在の文章たち。今はそこにニーズがあるのだから仕方ない。

 

 

とは言っても、必ずあるコンテンツには何らかのリソースがある。先述の僕の記事にしたって、例の不倫ネタがなければそこまでのPVにはならなかっただろうし、そもそもの書くきっかけがなかった。

 

そう、最近週刊文春が本気を出している。テレビを見ていたら復帰した編集長さんをスタッフ全員で盛り上げているという話をしていた。それが本当かどうかは知らないけれど。僕自身今まであの手の週刊誌はほとんど買ったことがなかったのだが、まあ自分か関連する記事を書くということもあってコンビニで買ってみた。

 

そんな風だから、週刊誌の売り上げは結構上がっているはずだ。

 

ここ最近週刊文春がスクープ記事を連発している。ベッキーとゲス不倫に端を発し、甘利大臣、そして妊娠中の妻をよそに不倫している議員さんなど、その勢いは凄まじい。

で、はて、と考える。 

これはスクープを狙いつづけてきた週刊誌ならでは(一昔前ならいわゆる写真週刊誌のネタだったんだろうけど)の「取材力」の賜物にほかならない。

 

このネタを果たして新興のウェブメディアが発掘できたかといえば、間違いなくそれは無理な話だろう。そもそもこういうネタを取材する記者のいるウェブ専用メディアってあるんだろうか?

 

どこかのニュースを引っ張ってくるだけのキュレーションメディアでは不可能だろうし、そもそもウェブニュースってその起点は従来型のマスコミのソースがほとんどだ。それ以外は海外ニュースを翻訳したものや、YouTube動画を貼り付けたものがそれらの8割を超えているのではないだろうか。

  

ということで、何が言いたいかといえばやはり世の中の大きな潮流を作るのは記者と取材力であり、新興の純粋なウェブメディアではまだできることは限られているということ。その理由は単純に既存の紙メディアがまだ紙にこだわり、ウェブからの情報発信に真剣に取り組んでいないからなのだろう。

 

例えばYahooニュースやあるいはグノシーあたりが真剣に自らのコンテンツを作ることを考え始めたら、そういうコンテンツの作り方=取材力を身につけることはさほど難しいことではないだろう。おそらくそういった新興メディアは、既存の紙メディア市場よりも間違いなく大きなものになるだろうし、もしかしたら利益ベースではとっくに抜き去っているはずだ。

 

ウェブメディアもウェブメディアで、ある意味楽にコンテンツを配信できる時代なのだから、あえて自前コンテンツをいま手がけるメリットがないからやっていないのだろう。儲かっているウェブメディアが週刊文春の編集スタッフや記者を丸ごと買い取ってしまったら、もしかしたらえらいことになるのではないかと考えているのは僕だけではないはずだ。

 

あくまで今はまだ過渡期。前から言われているように、このまま従来メディアが新興メディアに食われてしまっては、コンテンツ自体がどんどん衰退してしまうことだろう。緩やかなメディアの移行というのが果たしてうまくいくのかどうか。あるいは、案外このままの状態でコンテンツ力のある紙メディアとウェブメディアの共存状態が続くのかもしれない。

 

じゃあ物書きのはしくれとしてお前はどうなんだと言われれば、特に本を書くから、雑誌の記事を書くから、ウェブの記事を書くからといって中身が大きく変わることはない。

ただ、ウェブの文章はその気になればいつでもなかったことにできるのに対して、紙はいったん印刷して世に出てしまうと、取り消すことができないというのは大きな違いだと思う。

 

あとは紙はやはり限られた人間しか書けないが、ウェブは「自称ライター」が好き勝手にかけてしまうというのも、大きな違いだろう。

 

いや、何でこんな記事を書いたかというと、うわー週刊文春すげー!って思ったからで、そういうコンテンツを発信できる場所は、これからどうなるのかということを考えるのは、結構重要なことではないかな、と思ったから。

 

自分が書くということに当てはめて考えてみると、そこらにあるネタを引っ張り出して文章書くだけってのは、あんまり面白くないし、今回のこんなことを考えていると今後もしっかり自分にしか書けないものを書いていきたいなあ、ということを再確認した次第で。

 

allabout.co.jp

ゲスにインスパイアーされて書いた記事はこちら。検証するの大変だからテレビ出演も控えておきました。(実は来てくださいってオファーがなかっただけなんだけど)

 

ということで、自前コンテンツもそろそろ真面目に色々狙っていかないとなあと考えています。

1stwp.net